お仕事&受験校まるわかり事典2024
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 医師というと、病気になったり、けがをしたりした患者さんを治す人――をイメージしやすいでしょうが、実はそれ以外にもいろいろな仕事があります。大学病院の医師の仕事には大きく、「診療」「教育」「研究」があります。 私は金沢大学病院で患者さんを診療しているほか、この春まで、研修医・専門総合教育センターのセンター長として研修医や専門医の教育にかかわってきました。さらに、消化器外科学と乳腺外科学の教授として学生も教育します。外来の患者さんの診察や手術だけでなく、病院の委員会やさまざまな会議などに出席したり、空いた時間には、若い研修医とディスカッションしたりもします。 研究も大事です。日々の診療経験をまとめた臨床研究や、基礎実験をまとめた研究発表が、日本のみならず海外の学会で認められれば、世界の医療に貢献することになります。私自身それを経験して、忘れられない興奮を覚えた国立大学法人金沢大学 医薬保健研究域医学系消化管外科学/乳腺外科学 教授 金沢大学附属病院 副病院長(総務・人事担当)金大病院CPDセンター長ものです。 私は外科医なのですが、テレビや新聞などで「外科は寝る間もなく、大変な仕事だ」と伝えられています。しかし現在はチーム制をとり、皆で分担して患者さんを診療する体制を整え、一人の医師に負担がかかり過ぎないよう、いろいろ工夫しています。 外科の仕事が大変なことは確かですが、一方でとても神聖な仕事でもあります。手術の際には患者さんが全身麻酔で眠っている間にメスで身体に切開を加えて患部を切除します。患者さんは手術室で大事な命をすべて自分に預けてくれるのです。そう思うと、身が引き締まり、まさに神聖な気持ちになります。 外科手術の技術を身につけるのは大変-であり、修業期間が長いのではと危惧するかもしれませんが、今は若い医師を育てる環境が以前よりかなり整えられています。 例えば情報通信技術を利用した学習です。ひと昔前ならば遠い地域にいる熟練医師のところに、交通手段を使ってわざわざ学びに行かなければならなかったのですが、今では、オンラインによるビデオ学習や、インターネット会議システムなどで教えてもらえる時代になっています。最近では360度のVRを用いて手術を学ぶシステムも活用できます。今後、医師の技術の習得速度は今よりずっと早くなるでしょう。 さて医師を目指す皆さんに対してアドバイスとして、勉強についていえば、「合格できる方法」を追いかけるというより、目の前にある課題をひとつひとつ真剣に取り組み解決する姿勢が大事だと思います。その成果一つ一つが最終的につながり、大きな学力に発展すると思います。また、医師にはコミュニケーション能力も求められます。初対面の患者さんから、限られた診察時間のあいだに、病状や悩みを聞き出したり、自分が考えるベストの治療法を伝えたりしなければならないのです。最終的には患者さんから信頼を得ることがとても大切です。人間力を磨くことにも心がけてください。北陸の金沢大学で最先端の医学・医療を学べる環境を整えています。そして、この地で多くの若い人たちが医師としての第一歩を踏み出すことを切に願っています。26Inaki Noriyukiパブリシティ企画医師の仕事稲木 紀幸

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