石川県健康福祉部 部長なおひろ 4今皆さんが住んでいる地域の中で、医療・福祉・介護の分野でさまざまな取組みを行っているのはどういう部署かを知っていますか?今回は石川県の医療・福祉・介護を担当する石川県健康福祉部長・柚森直弘さんにお話を伺いました。■ 必要とされる介護の仕事 医療・福祉・介護の仕事は、我々が日々の生活を送るうえで欠かすことのできない大切な仕事だと思っています。だからこそ、その人材を確保していくことは非常に重要な課題です。特に介護人材については、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、介護・福祉人材確保・養成基本計画に基づき、その確保に取り組んできました。今後もさらに少子高齢化は進展することから、今年度はもう一度その確保に向けた新たな計画を作ることになります。その中で必要な政策、取組みを充実させていかなければならないと思っています。■ 県民の安心・安全を守る医療 医療については、生きていれば誰しもが心身の不調を感じることがあり、県民生活の安全安心を守るためにも非常に大切な分野です。医療分野では、特に看護師の確保が大きな課題だと思っています。今般の震災により、能登の2市2町を中心に医療福祉に大きなダメージを負ってしまいました。輪島市や珠洲市の病院では、看護師さんが不足することにより医療提供体制が維持できなくなってしまう懸念が生じたことから、看護師やそのご家族の皆さんが安心して仕事と生活の継続をしていただけるよう、職員用の仮設住宅を確保するなど、勤務環境改善に向けた取り組みを早急に行いました。 今後さらに、刻々と変化する医療ニーズを踏まえて、能登全体そして石川県の医療体制をどうするべきかということをしっかり検討し、その中で必要な人材をどう確保していくかということが大きな課題だと思っています。■ 仕事の魅力を伝えるために 中学生・高校生の皆さんに医療・福祉・介護の仕事について知っていただくために、介護福祉士や保育士が出前授業という形で、中学校や高校へ出向き、介護や保育の現場での体験や仕事の内容について紹介し、仕事の魅力をお伝えする取組みを行っています。今後は、医療分野の仕事についても理解し、興味を持ってもらえるような取組みを充実させる必要があると考えています。看護師さんをはじめ、薬剤師さんも大変重要なお仕事ですので、その魅力についてもお伝えしたいと思っています。県では、昨年度、病院薬剤師の確保に向け、新たなプログラムを立ち上げました。大学病院と地域の病院が連携をして、新卒等の薬剤師が両病院を行き来しながら主に6年間働いてもらい、専門資格も取得することができるものであり、能登を中心に地域病院への定着を図っていきたいと考えています。 また、福祉・介護の分野では、「いしかわ魅力ある福祉職場」認定制度を設けており、現在100を超えた事業所が認定を受けています。 それぞれの事業所が、その活動や取組みをさらに充実していただければと思っています。将来、施設での仕事を希望される学生の皆さんやその親御さんが、県の認定事業所であることで、安心して入職していただけるように、県として情報発信をしてまいります。■ 石川県で働く、北陸で働く魅力 今年の3月に北陸新幹線が福井県敦賀市まで開業し、北陸三県が新幹線で繋がり、首都圏からビジネスマンや観光客など多くの人が、これまで以上にこの北陸に来ます。元々、豊かな自然、四季折々の食材に恵まれた、ポテンシャルの高い地域だと思いますし、そこに首都圏から短時間で繋がる利便性も加わり、北陸三県の魅力がこれまで以上に上がるものと期待をしています。そこに子育て環境が整っている、介護・医療の充足度が高い、などの情報を発信することで、移住・定住を増やし、人口も増やして、福井・石川・富山と北陸が魅力ある地域としてさらに発展していくことができればと思います。そしてその中でも、医療・福祉・介護の分野がしっかりと石川を、北陸を支えていくことができればと考えています。■ 震災対応とこれからの希望 令和6年能登半島地震では、広域にわたる甚大な被害が発生しました。また、半島という特殊な場所で、しかも過疎・高齢化の進む地域での地震であり、多くの方が広域避難を余儀なくされ、現在も不自由な生活をされています。これまでに経験したことがない、なかなか難しい課題に数多く直面しました。そうした中、住環境の問題などにより、退職の意向を示す看護師さんが相次いだことから、看護師さんを全国に募集をしました。短期から中長期までどんな形でもいいので来てもらえませんかと全国に呼び掛けたところ、多くの応募があり、能登を助けようとする方やたくさんの応援団もいることがわかり、大変心強く思っております。医療だけではなく介護の分野においても、また被災地のこれからの復興のためにも多くの皆さまのお力をお貸しいただければと思っています。■ 命のために、誇りと希望をもって 震災対応で全国から駆け付けてくださっている福祉や医療関係の皆さまに心より感謝申し上げますとともに、これだけ多くの方々が、能登のため、石川のために、献身的に活動していただいていること、そしてその石川でこの仕事に携わることの意義を、生徒の皆さんに伝えていきたいと思っています。本当に、重要で、求められているお仕事だと思います。誇りと希望を持って、医療や福祉、そして介護の仕事を目指していただきたいと思います。期待しています。INTERVIEWTOP 柚ゆ森もり 直弘さん医療・福祉・介護の未来を担うあなたたちへ2024
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