▍ 『月刊医療経営士 2015年1月号』P49掲載の「確認テスト」解説
雑誌に掲載の「確認テスト」の解説です。
実際のページを見ながら、受験学習の復習にお役立てください。
(問題文は誌面に掲載しています)
- 問①(○)
- 設問のとおりです。財務会計は「外部報告会計」とも呼ばれ、外部の利害関係者に対して運営状況・財政状態を提供することを目的としています。一方管理会計は「内部報告会計」とも呼ばれ、意思決定や組織のコントロールを行うために必要な情報を提供することが目的です。
- 問②(×)
- 財務会計と管理会計の説明が逆になっています。財務会計においては、その性質上、客観的かつ検証可能な会計情報を提供することが求められるため、確定した過去の情報を扱いますが、管理会計においては未来予測を実施するための将来情報も併せて取り扱います。
- 問③(○)
- 貸借対照表は「決算日」という「点」における財政状態を表し、損益計算書は一定期間、つまり「線」における経営成績・運営状況を表します。この違いを理解しておきましょう。
- 問④(×)
- 右側と左側の説明が逆になっています。貸借対照表を見慣れていれば間違えることのない問題ですので、普段から見る機会をつくっておくとよいでしょう。
- 問⑤(○)
- 設問のとおりです。流動資産・固定資産の問題は頻出ですので、それぞれどのようなものが該当するのかというところまで理解しておくことが重要です。
- 問⑥(○)
- 固定資産の分類もよく出題されているようです。形態別の3つの区分を理解し、それぞれどのようなものが該当するのかも確認しておきましょう。
- 問⑦(○)
- 償却資産は有形固定資産のひとつで、減価償却によってかかる費用を配分することが必要となる資産です。医療機関には該当するものも多いので、しっかりと理解しておきましょう。
- 問⑧(○)
- 定額法は毎期均等額の減価償却費を計上する方法、定率法は毎期、期首の未償却残高に一定率を乗じた減価償却費を計上する方法です。定率法の場合、資産の能率が低下してくる後期の会計期間においては小額だけしか減価償却費を計上しなくなるという特徴があります。
- 問⑨(×)
- 問③の解説で説明したとおりです。「点」と「線」を理解しておきましょう。
- 問⑩(○)
- 設問のとおりです。病院会計準則でいえば、「医業損益計算」「経常損益計算」「純損益計算」という3つの区分になります。
- 問⑪(×)
- 設問は現金の収入・支出時に認識する、とありますので現金主義の説明です。発生主義は収益または費用の発生という経済的事実に基づいて認識する基準です。
- 問⑫(○)
- 設問のとおりで、「黒字倒産」などのように損益計算書上では利益を計上しているにもかかわらず、資金繰りに行き詰って倒産する、といったケースが頻発したことがキャッシュ・フロー計算書導入の背景です。
- 問⑬(×)
- 投資活動が積極的に行われていれば、現金は出ていくことになりますので、キャッシュ・フローはマイナスになります。プラスになっているということは支出がない、つまり投資活動を積極的には行っていないということになります。
- 問⑭(×)
- 医療機関の開設主体のうち、国および地方自治体、公益法人等によって開設された施設は非課税扱いとなります。また特定医療法人は軽減税率が適用されています。
- 問⑮(○)
- 財務会計上の利益金額は組織の財務状況を把握することが目的ですが、税務会計が開示対象としているのは税務当局であり、課税の公平性の観点から適正な租税負担能力を計る目的があります。両者の目的が異なるため、税務調整の必要が生じるということになります。