寝たきりの母の口の中にできた 薄皮状のものは取ってしまってもいい? |
3年前から寝たきりの母を介護しています。 いつも母は口を開けているせいか、口の中に薄皮のようなものができてしまいます。 端のほうが少しはがれている時もあるのですが、取れそうなものはピンセットなどで 取ってもよいのでしょうか。 (石川県 NMさん 62歳) |
【答える人】 五島朋幸 先生 (歯科医・ふれあい歯科ごとう院長) 地域の訪問歯科医として活躍中。口腔ケアの普及啓発にも力を注いでいる ◆ホームページ:「地域ケアを実践する ふれあい歯科ごとう」 |
簡単には取れないので 保湿剤などで慎重に 要介護高齢者の方は、口腔機能が低下し、口を開けっ放しにすることが多く、口腔乾燥が進行している状態でご質問のような薄皮状の「ガビガビ」ができてしまいます。 以前はつばや痰が乾燥したものと考えられていましたが、実ははがれ出た粘膜であることがわかっています。 などと言うと難しく聞こえますが、要は「アカ」です。 本来は唾液などで洗い流されるべきものなのですが、口が乾燥してしまって、処理できずに粘膜の上にとどまっている状態なのです。 さて、このような状態になったものは単にピンセットなどで引っ張って取れるかというと、そうはいきません。 一部は取れるかもしれませんが、元々は粘膜から発生するものですから、しっかりくっついているところもあるはずです。 しかし、そのまま放置しておくと衛生上もよくありませんし、口臭の原因ともなります。 そこで、次のようにケアをしてみてください。 粘膜用ブラシやスポンジブラシに保湿剤を塗り、薄皮のところへ塗りつけてください。 まんべんなく保湿剤が行き渡ったら、粘膜用ブラシやスポンジブラシでゆっくり、やや力を入れてこすってください。 もし一部が残ってしまったら、保湿剤をその部位にもう一度塗り、数分してから同じようにこすってみましょう。 保湿剤やブラシに関してはいろいろ種類がありますから歯科医師、歯科衛生士に尋ねてみてくださいね。 |
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「一問一答 よろず相談」は、『かいごの学校』(現在、休刊中)より掲載したものです。 |