もないため病院の方が救急の仕事に専念しやもないため病院の方が救急の仕事に専念しやすく男女差も出にくいのではないかと考え、すく男女差も出にくいのではないかと考え、「院内」に志望を変えました。富山には救命士「院内」に志望を変えました。富山には救命士を採用する病院が2カ所しかなく、より規模のを採用する病院が2カ所しかなく、より規模の大きな大学病院を選びました。大きな大学病院を選びました。土井 女性の救命士にとって病院は比較的働土井 女性の救命士にとって病院は比較的働きやすい環境ということですね。次に、舘先生きやすい環境ということですね。次に、舘先生が救急医を志したのはどのような理由からでが救急医を志したのはどのような理由からでしょうか。しょうか。舘 研修医時代、院内急変を起こした患者さ舘 研修医時代、院内急変を起こした患者さんに私は何もできず、上級医の指示通りに動くんに私は何もできず、上級医の指示通りに動くのが精いっぱいでした。間もなく病室に救急ののが精いっぱいでした。間もなく病室に救急の先生のチームが駆けつけて、非常にてきぱきと先生のチームが駆けつけて、非常にてきぱきと処置されました。医師である以上、患者さんの処置されました。医師である以上、患者さんの急変には必ず遭遇します。その時に、あの先生急変には必ず遭遇します。その時に、あの先生たちのように自信を持って対応できるようになたちのように自信を持って対応できるようになりたくて、救急医を志すことにしました。りたくて、救急医を志すことにしました。土井 救急医療の魅力、醍醐味を感じるのは土井 救急医療の魅力、醍醐味を感じるのはどんな時ですか。どんな時ですか。舘 救急医はまず患者さんの体全体を診ます。舘 救急医はまず患者さんの体全体を診ます。頭部外傷で運ばれてきた患者さんが実は肩の骨頭部外傷で運ばれてきた患者さんが実は肩の骨も折れていたりしますので、救急医は限られた時も折れていたりしますので、救急医は限られた時間内に患者さんの全身をみなければなりません。間内に患者さんの全身をみなければなりません。それが早期診断として、患者さんのトータルな予それが早期診断として、患者さんのトータルな予後の改善になります。その役目を無事果たせた後の改善になります。その役目を無事果たせた時の充実感が、救急医の一番の魅力ですね。時の充実感が、救急医の一番の魅力ですね。上村 救急の患者さんの中には、自覚症状と上村 救急の患者さんの中には、自覚症状と原因が一致しなかったり、バイタルサイン(※)を原因が一致しなかったり、バイタルサイン(※)を測ると見た目より深刻だったりすることがあり測ると見た目より深刻だったりすることがあります。ウォークイン(※)の患者さんは基本的にます。ウォークイン(※)の患者さんは基本的に看護師がファーストタッチ(※)するので、最初に看護師がファーストタッチ(※)するので、最初に患者さんの重症度に気付けるのは私たちです。患者さんの重症度に気付けるのは私たちです。患者さんの全身状態を瞬時に正確に把握し、患者さんの全身状態を瞬時に正確に把握し、医師に伝えなければならず、重責ですが、やり医師に伝えなければならず、重責ですが、やりがいもあります。がいもあります。舘 医師の気づいていないところに看護師さ舘 医師の気づいていないところに看護師さんが気づいてくれることもあり、看護師さんのんが気づいてくれることもあり、看護師さんの存在はとても大きいです。存在はとても大きいです。土井 まさにチームプレーですね。菅家さんに土井 まさにチームプレーですね。菅家さんには救急車に同乗して患者さんの状態観察を行は救急車に同乗して患者さんの状態観察を行うなど、医師、看護師のタスクシフトをしていたうなど、医師、看護師のタスクシフトをしていただいています。これもチームプレーの一つです。だいています。これもチームプレーの一つです。上村 今まで看護師にしかできなかった業務上村 今まで看護師にしかできなかった業務を、救命士さんと分担できるようになり、本当を、救命士さんと分担できるようになり、本当※※【バイタルサイン】【バイタルサイン】脈拍、血圧、呼吸、体温など脈拍、血圧、呼吸、体温など【ウォークイン】【ウォークイン】夜間などに直接徒歩や自家用車などで病院を受診する夜間などに直接徒歩や自家用車などで病院を受診することこと【ファーストタッチ】【ファーストタッチ】患者の状態を把握するための最初の処置患者の状態を把握するための最初の処置 災害・救命センター長 災害・救命センター長Doi TomoakiDoi Tomoaki土井 智章土井 智章富山大学 学術研究部医学系富山大学 学術研究部医学系医学部 救急医学講座 教授医学部 救急医学講座 教授Tachi YukariTachi Yukari舘 祐香里舘 祐香里Kamimura NaoKamimura Nao上村 菜緒上村 菜緒に助かっています。に助かっています。土井 その菅家さんは、どんな時に救急の魅土井 その菅家さんは、どんな時に救急の魅力を感じますか。力を感じますか。菅家 救急の患者さんは一見、軽症のようで実菅家 救急の患者さんは一見、軽症のようで実は重症だったり、その逆もあったりします。どこは重症だったり、その逆もあったりします。どこに何が隠れているか分からない状態の方も多く、に何が隠れているか分からない状態の方も多く、ちゃんと見つけて医師に伝えられるか、毎回「試ちゃんと見つけて医師に伝えられるか、毎回「試験」を受けているような感覚です。しかも自分な験」を受けているような感覚です。しかも自分なりに考えないと答えが見つからない「応用問題」りに考えないと答えが見つからない「応用問題」ばかりですが、その難題をクリアした時の達成ばかりですが、その難題をクリアした時の達成感は、他では味わえないと思います。感は、他では味わえないと思います。土井 その通りですね。同じ疾患であっても、土井 その通りですね。同じ疾患であっても、その人にあったベストな対応をその時々に考えその人にあったベストな対応をその時々に考えなければなりません。そこが救急の難しいとこなければなりません。そこが救急の難しいところでもあり、面白いところです。ろでもあり、面白いところです。上村 看護師も診療科病棟の配属と違い、救上村 看護師も診療科病棟の配属と違い、救急では幅広い診療科をみることができます。幅急では幅広い診療科をみることができます。幅広い知識と経験が求められますが、そこも救急広い知識と経験が求められますが、そこも救急の魅力です。の魅力です。土井 私は、救急外来は社会の縮図、社会の土井 私は、救急外来は社会の縮図、社会の入口だと思っています。いろいろな人に看護師入口だと思っています。いろいろな人に看護師さんが上手にお話されて、安心して帰っていたさんが上手にお話されて、安心して帰っていただいているのをみると、感謝しかないです。やだいているのをみると、感謝しかないです。やはり患者さんに一番寄り添っているのは看護はり患者さんに一番寄り添っているのは看護師さんです。師さんです。土井 野原先生は研修で救急を経験されてい土井 野原先生は研修で救急を経験されていますが、どんな印象でしょうか。ますが、どんな印象でしょうか。野原 平日の夜間などに救急に入っていますが、野原 平日の夜間などに救急に入っていますが、上級医の補佐的なポジションである日中の他上級医の補佐的なポジションである日中の他科の研修とは全然違います。患者さんがいつ運科の研修とは全然違います。患者さんがいつ運ばれてくるか予想がつかず、午前3時に5人のばれてくるか予想がつかず、午前3時に5人の患者さんを抱え、上級医に電話で指示をあお患者さんを抱え、上級医に電話で指示をあおいだこともありました。いだこともありました。土井 大変でしたね。ただ、医師を志す以上は、土井 大変でしたね。ただ、医師を志す以上は、そういう経験も避けては通れませんよ。そういう経験も避けては通れませんよ。野原 はい。研修医が一番多くの経験値を得野原 はい。研修医が一番多くの経験値を得られて、成長できるのが救急外来だと実感してられて、成長できるのが救急外来だと実感しています。います。土井 そうですね。中田君は学生として救急土井 そうですね。中田君は学生として救急外来を回ってみて、何か感じることはありました外来を回ってみて、何か感じることはありましたか。か。中田 普段は他の外来と変わらない雰囲気で中田 普段は他の外来と変わらない雰囲気ですが、重症患者さんが緊急搬送されると空気すが、重症患者さんが緊急搬送されると空気が一変し、スイッチが入った後のスピード感はが一変し、スイッチが入った後のスピード感はKanke ShionKanke Shion菅家 潮音菅家 潮音Nohara TomoyasuNohara Tomoyasu野原 共泰野原 共泰物凄いです。即効でオペが始まり、止血などの物凄いです。即効でオペが始まり、止血などの作業を分担して手際よく行い、大勢が駆けつけ作業を分担して手際よく行い、大勢が駆けつけて蘇生を行ったりします。いったん停止した心て蘇生を行ったりします。いったん停止した心臓が再び動き出した瞬間、「おおー」とどよめ臓が再び動き出した瞬間、「おおー」とどよめきが起き、救急の醍醐味は、こういったところきが起き、救急の醍醐味は、こういったところにあるのだなと感じました。また、院内の急変にあるのだなと感じました。また、院内の急変患者さんのもとに救急の先生方がいろんな医患者さんのもとに救急の先生方がいろんな医療用具を抱えて猛ダッシュしている光景も印象療用具を抱えて猛ダッシュしている光景も印象的です。的です。土井 荷物を担いでいただいているのは救命士土井 荷物を担いでいただいているのは救命士さんですけどね(笑)。救急医は搬送患者さんださんですけどね(笑)。救急医は搬送患者さんだけでなく、入院患者さんの急変時の対応も大切けでなく、入院患者さんの急変時の対応も大切な役割です。では最後に、医療職を目指す人たな役割です。では最後に、医療職を目指す人たちにアドバイスやメッセージをお願いします。ちにアドバイスやメッセージをお願いします。舘 医療職は地域社会に貢献できる仕事であ舘 医療職は地域社会に貢献できる仕事であり、患者さんに感謝されることが多い仕事です。り、患者さんに感謝されることが多い仕事です。それがやりがいにつながり、「きょうも頑張ろそれがやりがいにつながり、「きょうも頑張ろう」という気持ちになります。う」という気持ちになります。上村 富山大学看護学科は看護師、保健師、上村 富山大学看護学科は看護師、保健師、助産師の免許が取得できる、全国でも数少な助産師の免許が取得できる、全国でも数少ない学科です。勉強は大変でしたが、知識や技能い学科です。勉強は大変でしたが、知識や技能は救急の場でも役立っています。それと地元のは救急の場でも役立っています。それと地元の大学なので知り合いも多く、アットホームな雰大学なので知り合いも多く、アットホームな雰囲気で4年間を過ごせました。囲気で4年間を過ごせました。土井 大都市であれば自分に代わる人材はい土井 大都市であれば自分に代わる人材はいくらでもいるでしょうが、地方では自分がいなくらでもいるでしょうが、地方では自分がいないと目の前の人を助けることができません。医いと目の前の人を助けることができません。医療ドラマのように、自分が「主人公」となって療ドラマのように、自分が「主人公」となって活躍できるのが地方の魅力です。1人でも多く活躍できるのが地方の魅力です。1人でも多くの若い人が、富山で医療の道を目指してほしいの若い人が、富山で医療の道を目指してほしいと思います。と思います。富山大学附属病院は皆さんを全力でサポート富山大学附属病院は皆さんを全力でサポートする環境でお迎えしています。する環境でお迎えしています。本日はありがとうございました。本日はありがとうございました。Nakada KazuyaNakada Kazuya中田 一也中田 一也医師医師富山大学附属病院富山大学附属病院富山大学附属病院富山大学附属病院災害・救命センター 医員災害・救命センター 医員救急科長救急科長医師医師富山大学附属病院 看護部富山大学附属病院 看護部(災害・救命センター)(災害・救命センター)看護師看護師救急救命士救急救命士富山大学附属病院富山大学附属病院災害・救命センター災害・救命センター看護師看護師救急救命士救急救命士研修医研修医富山大学附属病院富山大学附属病院卒後臨床研修センター卒後臨床研修センター研修医(2年目)研修医(2年目)医学部学生医学部学生富山大学富山大学医学部医学科医学部医学科5年生5年生313131 Toyama University Hospital Toyama University HospitalEmergency Medical Care TeamEmergency Medical Care Team
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