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36病院(患者20人以上の入院施設/ベッドを有するもの)有床診療所(患者19人以下の入院施設/ベッドを有するもの)無床診療所(患者の入院施設/ベッドを有しないもの)診療所 医療法によれば、医業を行うための場所は「病院」と「診療所(クリニック・医院)」とに区分され、病院は20床以上の病床を備えるもの、診療所は病床をもたないもの、あるいは19床以下の病床を備えるものとしている。医療施設一般病院特定機能病院(高度の医療の提供、高度の医療技術の開発など)地域医療支援病院(地域医療を担う「かかりつけ医」「かかりつけ歯科医」の支援など)臨床研究中核病院(臨床研究の実施の中核的な役割を担う)精神病院(精神病床のみを有する)結核病院(結核病床のみを有する)病院 医療施設の開設者は多様である。国や公的医療機関を主体とするものから、社会保険の関係団体、医療法人や社会福祉法人、会社、個人などさまざまなものがある。以下、大まかな分類ごとに開設者を紹介する。 ※【 】内は病院例国 国の開設者としては、厚生労働省をはじめ、独立行政法人国立病院機構、国立大学法人【国立大学医学部附属病院】、独立行政法人労働者健康安全機構【労災病院】、国立高度専門医療研究センター【国立がん研究センターなど】、独立行政法人地域医療機能推進機構【JCHO病院】、防衛省【防衛医大病院】、法務省【医療刑務所など】、宮内庁【宮内庁病院】がある。 特定機能病院とは平成5年より制度化されたもので、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発・評価、高度の医療安全管理体制、さらには高度の医療に関する研修を実施する能力などを兼ね備えた病院として、厚生労働大臣が個別に承認するものである。高度医療が必要な患者は、原則として、診療所や一般病院からの紹介を受けて特定機能病院を受診することになる。令和4年12月の時点で、88病院が承認されている。 地域医療支援病院は、患者に身近な地域で医療が提供されることが望ましいという観点から、紹介患者に対する医療提供(かかりつけ医などへの患者の逆紹介を含む)、医療機器の共同利用の実施、救急医療の提供、地域の医療従事者に対する研修の実施などを行い、かかりつけ医を支援し、地域医療の中核を担う病院として平成9年に創設された。都道 また、病院については患者に対して科学的かつ適正な診療を行えるものであることとし、施設の構造設備などについても相当程度、充実したものであることが求められている。図表1/医療施設の類型 ※参考/厚生労働省「医療施設の類型」府県知事が個別に承認し、令和4年9月の時点で685医療機関が承認されている。 臨床研究中核病院とは、その名の通り臨床研究を実施する上での中核的な役割を担う病院であり、日本発の革新的な医薬品や医療機器の開発に必要となる質の高い研究・治験を推進する。厳しい要件を満たした医療機関のみが厚生労働大臣の認可を受け、令和5年4月の時点で15の病院が指定されている。 特定機能病院、地域医療支援病院、臨床研究中核病院については、人員配置基準、構造設備基準、管理者の責務など、一般の病院とは異なる要件を定め、それらの要件を満たした病院については名称独占が認められている。 なお、精神病院は精神病床のみを有する病院、結核病院は結核病床のみを有する病院となる。図表2/病院の機能分類 ※参考/厚生労働省「医療施設の類型」会【協会病院】、厚生(医療)農業協同組合連合会【厚生病院】、国民健康保険団体連合会の8種からなる。CHECK IT OUTCHECK 1CHECK 2CHECK 3そもそも病院とは?病院を機能で分類する病院を開設者で分類する公的医療機関 公的医療機関は、都道府県、市町村、地方独立行政法人【公立大学医学部附属病院】、日本赤十字社、社会福祉法人恩賜財団済生会【済生会病院】、社会福祉法人北海道社会事業協社会保険関係団体 社会保険関係団体には、健康保険組合及びその連合会、共済組合及びその連合会【KKR病院】、国民健康保険組合の3種類があり、地域・組織に根ざした医療を提供している。その他 その他(公的以外)の開設者としては、公益法人、医療法人、私立学校法人【私立大学医学部附属病院】、社会福祉法人、医療生協、会社【JR病院、NTT病院など】、その他の法人(宗教法人など)、個人がある。そして、全医療施設数に占める割合が最も多いのが医療法人であり(全体の約7割を占める)、民間病院とも呼ばれ、急性期から回復期、慢性期、そして在宅医療まで、幅広くカバーしている。病院について知っておこう!

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