
最新号『最新医療経営 PHASE3』5月号 VOL.489
緊急レポート 病院経営が前代未聞の悪化
緊急レポート 病院経営が前代未聞の悪化
日本医師会、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、日本慢性期医療協会、全国自治体病院協議会は3月12日、「合同声明」を公表した。「病院がいま危機的状況」「地域医療はもう崩壊寸前」と病院経営の現状を訴え、「このままではある日突然、病院がなくなります」と呼びかけている。その根拠になっているのが、病院6団体が合同で実施した調査「【緊急調査】2024年度診療報酬改定後の病院の経営状況」だ。7割近くが赤字、福祉医療機構による債務償還年数分析では半数が破綻懸念先と判断されるなど、関係者の間では「ここまで悪いとは」という声があがっている。今回はその概要をレポートする。
病院トップの経営者魂
特別インタビュー
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医療DXで守る
「患者と医療機関の安心安全」
これから求められる組織改革とリスク管理とは - 小西竜太 エム・シー・ヘルスケアホールディングス株式会社(MCHHD)
医療機関が直面する喫緊の課題として、人件費の高騰や人材不足が挙げられる。こうした状況のなか、業務効率化や働き方改革の切り札として注目されているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)である。DXは、診療や事務の効率化を通じて医療現場の負担軽減に貢献すると期待される一方で、システム障害や情報漏洩といった新たなリスクも生じるため、慎重な対応が求められる。そのようなリスクにどう向き合い、患者と医療機関双方の「安全」を守るためにDXをどう活用していくかという視点が重要だ。ここで「DXは単なるITツールの導入ではなく、組織全体の業務プロセスの見直しです。特に診療系と事務系の連携が欠かせません。ここが噛み合わなければ、どんなに優れたシステムを導入してもDXは根付きません」と語るのは、エム・シー・ヘルスケアホールディングスの小西竜太氏(医師)。総合内科医としての豊富な臨床経験に加え、SPDを中心に展開する事業会社でサプライチェーンと病院経営の両面から現場を支援する立場にある小西氏に「医療DXの本質とリスクマネジメントの重要性」について聞いた。(聞き手:エム・シー・ヘルスケア株式会社事業開発部 板橋祐己)
高橋教授のこの人に会いたい
次号予告 2025年6月号 VOL.490(2025年5月10日 発行)
特集 2025年医療の論点(仮題)
「医療崩壊」が現実のものとなった2000年代前半から、社会保障国民会議や社会保障・税一体改革、全世代型社会保障構築などを経て、1947〜49年生まれのいわゆる団塊の世代が75歳以上となる2025年を迎えた。今後、人類が経験したことのない「超高齢社会」を迎えるが、そのなかで医療はどのような役割が求められるのか、また果たしていくべきなのか。医療関係者や有識者に語ってもらう。